自閉症の要因

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昨日一関市で幼稚園の研究大会が行われました。
その際自閉症に関わる講演会が開かれたようです。
今朝の岩手日々新聞の記事を読むと
「発達段階を正しく見極めれば自閉症の多くが防げるはず。」とありましたが、誤解を招きはしないかと少し不安になりました。
捉えようによっては「自閉症は育て方が原因だ」とも聞こえるからです。

私は、この講演も聴いていませんし講演者の著書「自閉症の意識構造」も読んではいないので、このことについては言及いたしませんが、誤解なく分かっていてほしいと思うことがあります。

一つは、自閉症は、決して育て方のせいでなるのではないということです。
昔は親の養育が原因で自閉症になると考えられていましたが、現在では、脳の機能障害だとされていますし、最近の脳科学の分野でも50程度の遺伝子が特定されその組み合わせによって様々に状態像が変化することが知られています。

ですから自閉症の大きな要因は脳機能の個人要因によるものだとされているのです。

しかし、それと並行するような形で環境要因についても研究が進められています。
どういうことかというと自閉症の因子を持つ子どもの生後間もない環境が予後に大きく影響をあたえているという考えです。

自閉症の子どもにとって環境の変化は大きな不安の基となっていることはお分かりだと思います。
急な予定の変化、環境の変化、多様な外界の刺激・・・そういったものは自閉症児に混乱を招き予後を悪くします。
最悪の場合は強度行動障害という形で現れてきます。

それと同様に生後間もない乳幼児の場合でも環境の変化は重大な問題なのです。
当たり前に子育てをしているつもりでも、最近の社会環境はより多様により刺激的になってきています。

例えばスーパーマーケットに買い物に連れて行くことですら自閉症の子どもにとっては不安と混沌の中に連れて行かれることなのかもしれません。
そういう意味で、環境要因というものが今注目され研究されているのです。
ただ、あくまでも危険因子(ハイリスクベビー)を持つ子どもについてです。
環境要因の前に個人要因があるのです。

今回の講演がどのようなものであったのかわかりませんが、自閉症の環境要因を考えるときは慎重によく理解していただきたい。
決して昔のような子育てのせいというお考えにはならないでいただきたいと思います。


y-kuma

この記事へのコメント

管理人K
2007年03月24日 21:53
私も、岩手日々の記事で講演会の内容を見て驚きました。

講師の歯科医師、無量真見先生のことも著書のことも全く存じませんが、
「二歳未満の子どもにテレビを見せると言葉が贈れる」という説を引用され
「テレビには不吉な場面の前にカラスの鳴き声を流すなど現実と異なる演出が多く、そういった作為的な物に浸されると自分で考え想像することができなくなる」と説かれています。
確かに現代の子育てへの警鐘であると思いますが、それが自閉症と結びつくものではないことは明白です。

「テレビ視聴と自閉症」については2004年、すでに日本自閉症協会・東京支部のホームページ上でコメントが出されております。
どうか、そちらを参考に正しい見識をお持ち頂きたいと思います。
http://www.autism.jp/sibu/0205_tv.shtml

一関のえぇ町つくり隊はこれからも、あるがままの自閉症者と普通に暮らしていける町づくりを考えていきましょう。

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